気ままに旅行

旅行記です。国内国外津々浦々。

バルト3国・サンクトペテルブルクの旅11/エカテリーナ宮殿

8日目/ツァールコスエ・セロー エカテリーナ宮殿


この日は月曜日。エルミタージュなどのほぼすべての美術館や宮殿は閉館なのもあり、郊外のプーシキンへ行くつもりでチケットを昨日購入しました。


このバスツアーは6時間の予定だそう。そういえば、昼食とかどうするんだろう…。
勿論腰回りにカイロを貼って、まぁ宮殿は中だから大丈夫でしょうけどダウンのポケットにもカイロを一応忍ばせます。


朝食は、すっかり気に入った大麦のカーシャ(オートミール)と、色々。タンパク質になるものがあまり好みでない状態になっているので(ハムもソーセージも食べたけれどあまり…)、間違いのないフライドエッグになってしまいます。ジャムの種類が本当にたくさんあって、一番のお気に入りはアプリコットです。これ、ドライアプリコットが混ぜてあって、食感がいいんです。甘すぎずで美味しい。これ売ってないかな…。


移動はバスだし・・・と、カメラの標準レンズと広角レンズの両方を持っていくことにします。これだけでまぁバッグはいっぱいなのですが。


10:00前にチケット売り場の前に到着し、一応…とお手洗いを探します。


…と、チケットボックスの付近に発見。多分有料だけど、どうかな…と見てみると、ガラス窓のついた箱の中におばあさんが。80pと書いてあるので、恐らくこの値段なんでしょう。窓をノックして80p出すと、わたしの顔を確認し、ドアはあっち、風に右側を指さしました。
有料だけどお世辞にも綺麗と言えない風体の内部でしたが「ペーパーを流さないように」と呪文のようにブツブツと唱えながら無事に終了。
(ロシア、排水管事情によりトイレに直接紙を流せないところがかなり多いので、大きなゴミ箱が個室内に必ずあります。しかし習慣で流してから「しまった!」となることが多く……)


ツアーの客は25人くらい、殆どがロシア人です。
時間20分前を指定してきたのだし、定刻に出発だろうと思っていましたが、まぁ、海外ですものそんなはずはなかった。10:45に出発です。


車中も、ガイドの女性の話がずーっと続いています。聞き取れるのはプーシキン、他歴史の人物の名前、サンクト・ペテルブルクという単語だけ。
ああ、これ歴史からずっと説明をしているんだ…英語ツアーもこんな感じだったなら、ちょっともったいないことをしました…!!


バスは郊外に向かい、途中、開発中の高層アパートがいくつか見えました。中心地はもう土地がないから、郊外に建設しているんですね。
サンクトペテルブルク中心部にも、たくさん「SALE」と窓に貼っている部屋があり、アパートは所有が主なのかな?とちょっと調べたら、以下のリンクを発見。



んん、土地の個人所有はなかなか難しいみたいですね。そのうえ、賃貸の法整備がされていないなら、アパートを所有するのはメジャーなのが分かりました。


出発から1時間ちょっと、ぽつぽつと戸建ても見えてきました。郊外だと戸建てもあるんですね。このエリア、ツァールコスエ・セローは避暑地らしいので、もしかしたら別荘かも?



バスが到着し、ぞろぞろと入り口に向かって歩いていきます。
…ん~、ちょっと寒いかも。中心部より気温が低いのかな。この日も曇天だったので、気温が上がらなそうです。


ガイドが団体チケットを購入する間、ちょっと待ちます。



すでに建物が可愛い。


エカテリーナ宮殿はピョートル大帝の后のエカテリーナ1世に由来しています。最初の建物は1717年、以降増改築を重ねて1756年に現在の姿になったそうです。夏をここで過ごしていたようで、やはり避暑地なんですね。


寒いわけだよ。



ゲートをくぐり、まっすぐの小径を見てまずびっくりしたのは大行列。
とにかくすごい数の人が列を作っています。え?ナニコレ?しかしガイドはロシア語で話しながら列の横を通っていくので、ああ、団体は別なのかな…と思いつつ、後をついていきます。
すると、庭園の方へ進んでいきました。
宮殿の正面まっすぐにエルミタージュ。現在は美術品コレクションの展示に使われているそう。

後ろを振り返ると、気を失いそうになる数の人が並んでいる。


ツアー一行は、庭園の見学へ進みました。


ああ、何だか素敵な建物…。


これはグロット(朝の間)。明るくて小さい礼拝堂でした。ここでロシア語のクワイアグループが歌を披露していて、それを聞くのもツアーの一部だったようです。CDを売っていました。



少し晴れ間が。




これ、庭園全部回るのはかなり時間がかかります。本当に一部を歩いただけで1時間でした。


そして、いよいよエルミタージュ内部に…やはりこの、長蛇の列に並ぶようです…。ガイドが何かを言うと、人が外れていきます。その後わたしには英語で「30分くらい列を外れて平気よ、わたし並んでいるから」話してくれたので、本当にありがたかった。


なぜって、わたしは写真で見てからどうしても行きたい場所が庭園内にあったからです。スマホに登録していた地図を見ると、遠くないので小走りに目的地へ。



ここです!この美しい回廊を写真で見た時に、呆然としました。陰影が美しい…。写真では晴れの日だったので光が美しかったのですが、この日は曇天なので少々残念。
大きい写真にしてみましたが…。



人もあまりいませんでした。
庭園内のチャイニーズ・ヴィレッジにあります。行かれる方、是非ともこのチャイニーズ・ヴィレッジにも足を運んで下さい。


しかし、与えられた時間は30分だったので、急いで写真を撮り、お手洗いに行き、列に戻ります。
まぁ、30分なんて誰も帰ってきてませんよね(笑)。
ガイドと二人だったので、ちょっとおしゃべりをしていました。
「どこからきたの?」
「日本」
「グループで?」
「いえ、ひとりです。バルト3国回って、ここサンクトペテルブルクが最後」
「一人でロシアに来る日本人て珍しいわよ!」
ガイドは英語が堪能ではないけれど(ロシア語ガイドですもん)、一生懸命に話してくれて嬉しかったです。


しかし、列が進みません。
そして、めちゃめちゃ寒いです。


ちょっと列を抜けて写真を撮ったりしながら(立っているだけだと凍えそうだったので)待つ。ただ待つ。
するとガイドが「20分ごとに150人しか入れないから…待つのよ…」と。そして、この日は通常よりもかなりの観光客がいたようです。


そう、エルミタージュ美術館をはじめとした美術館は今日は休館(月曜日)。見どころはおそらくここと、ペテルゴーフ(噴水が有名な夏の離宮)。観光客が殺到したのですね。みんな考えることは同じです…。


寒さに震え、耳も痛いし(フードかぶっています)手も痛い。そして余りの寒さに目が潤むし頭も痛くなってきますが、もうぜーんぜん列は進みません。
わたしは今朝、カイロも仕込んでいますが役に立っている気配はありません。
こんな、こんなことなら昨日あのままチケット買ってエカテリーナ宮殿に来るんだった…今日を街歩きにすればよかった…。


待つこと3時間


ようやく内部に入ることが出来ました……(´;ω;`)
もう、もう死ぬかと思いました…。
まず、館内はスタッフと一緒にグループで回るシステム。ここでもガイドは基本ロシア語なので、英語を希望の場合はその旨をガイドに伝えなければいけません。わたしも聞かれたけれど、結局ロシア語のスタッフのグループで回りました。


荷物とコートを預け、靴カバーを履いて出発。



エントランスというか、入ってすぐの吹き抜けの階段。ここに住んでもいい。


鏡の間。


食堂…というの?晩餐の間のような。


ここは祝賀用の食堂だそう。


宮殿大階段に2体あるクピドのうちのひとつ「眠れるクピド」。可愛いったらない。

ロココ調だと金・白・緑かピンクが好きな配色です❤
住むには落ち着かないけど、好き。


緑の食堂のランプが素敵。


写真撮影が不可の琥珀の間は、想像していたよりも小さくて、そしてびっしりと琥珀がはまっていました。


見学は40分ほど。荷物を受け取りツアーメンバーと合流し、バスへ戻ります。
ああ、こんなに寒くて死をも覚悟したけれど、夏なんかは一日ここで過ごせそうです。庭園内はベンチもあったし、池もいくつかあるみたいだし、少し外れると人もほとんどいなくてゆっくりできそうです。夏はね。


ここでお土産に、室内の壁紙のパターンが使われたiphoneケースと、宮殿ガイドブック(英語)を購入。
ちなみに、この宮殿の大広間は、一般の人も貸切ることが出来ます。見つけた価格はちょっと前のもので、最低4時間以上1時間5,000USD~だそうです。意外と手が届きそうなお値段ですよね…(笑)混んでて写真が撮れなかったので、どんな部屋か気になる人は検索してみてください。結構ご想像通りの豪華絢爛なお部屋です。国内外の大企業や、セレブリティがパーティで貸切るみたいですよ。



バスに乗り、車内の寒さに絶望しながら「お腹空いた…」とサンクトペテルブルク中心へと戻りました。お水のボトル、持ってきておいてよかった。


(続く)

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