気ままに旅行

旅行記です。国内国外津々浦々。

バルト3国・サンクトペテルブルクの旅6/シャウレイへ

5日目:リーガ→シャウレイ


真っ暗いなか活動をはじめ、6:00発シャウレイ(リトアニア)行のバスに乗るためにバスターミナルへ。


しかし、ここで痛恨のミス。

パスポートをホテルに忘れたのに気づきました。只今5:35、バスターミナル。
戻っていったらたぶん本当にギリギリ。やばい。一応国境を超える。


一瞬の逡巡ののち、そのままバスを待つことにしました。だめだって言われたら、次のバス(9:00)にしてもらおう。
やってきたのはマイクロバスで、乗客はわたしだけ。
そして、チケットのチェックのみ。よ、よかった……。


リーガからシャウレイまで、2時間半程度。窓の外を見ながら、うとうとしたりご飯を食べたり。
平原の一本道のような車窓は、ここが北海道ですと言っても分からない感じ。白樺だし…。しかし、時折見えるとんがり屋根のオレンジが、ここが日本ではないことを気づかせてくれました。笑。


朝焼け、7:30頃。

もうちょっとでシャウレイの町に着くはず。


国境が分からないままシャウレイのバスターミナルに到着し、ツーリストインフォメーションが空く時間までターミナル併設のショッピングモール(のスーパー)で時間つぶし。
価格帯はリーガと変わらない感じです。


そしてツーリストインフォメーションに行き、十字架の丘までの往復タクシーを呼んでもらいます。往復、1時間の現地滞在(駐車場で待っていてくれる)で28ユーロ位でした。
バスターミナルにもタクシーはたくさん止まっていますが、料金が交渉制になるので、観光客は高く言われる傾向にあるようです。ツーリストインフォメーションはいろいろな使い方ができるので、現地での活用をお勧めいたします!


さて、今回の旅のメインとも言える、この十字架の丘。
いつか一度見てみたい、と思っていた場所のひとつです。
なのに、雲は分厚く暗い。せっかく来たのに…わたしの心も暗い。


現地に到着したのは10:00頃。駐車場にも車は数台、閑散としています。ここから10分ほど、まっすぐな道を歩きます。

右側(東側)に、雲の切れ間が確認できました。この切れ間に太陽が出てくる位置。ん、ん、ん、これは急げばちょっと晴れ間に写真が撮れる!!!


十字架の丘の入り口、薄日が差してきた。

誰もいません。

おびただしい数の十字架。
十字架の丘は、リトアニアの侵略の歴史と深く結びついており、非暴力の抵抗の象徴とも言われています。特に1944年から1990年まで、ソ連統治下にあったリトアニアでは、この丘へ行き祈りを捧げる事で、リトアニア人の宗教(カトリック)と遺産に忠誠を誓う意味もあったそうです。ソ連軍により何度もブルドーザーでこの十字架を一掃されても、何度も人々は十字架を立て続けた結果、今のこの風景が出来上がりました。


丘の上には、聖母の像も。十字架だけでなく、さまざまなカトリック関連のものが置かれていました。




丘の周囲もこんな感じで、とにかくものすごい数。

世界中探しても、この風景に対抗できるのは京都の伏見稲荷の千本鳥居くらいだと思います。
晴れ間ののぞいた10分ほどの間に、写真をたくさん撮りました。念じれば叶う。そしてまたどんより暗い灰色の空になったのですこしゆっくり見て回る。
30分ほど滞在して、駐車場へ戻るときに、バスで来たと思われる観光客の団体2組とすれ違いました。おお、何てラッキーなんでしょう。一瞬の晴れ間と場所を独り占めできました。


そしてシャウレイのバスターミナルでリーガ行のチケットを購入。今回もマイクロバスでしたがこれは満席。パスポートチェックはなし。よ、よかった本当に…。


バスのお隣はリトアニア人の女性で、日本に旅行に行ったことがあるということでお話も弾みました。日本のアニメが好き、ということで、日本語も勉強したけど話す機会がなくて忘れちゃった…と。そう、アウトプットの機会がないとどんどん話せなくなるんですよね…。この旅で初めて日本語を話しました。


14時前にリーガに戻ってきました。そのまま近くの中央市場を見てみることにします。


(続く)

バルト3国・サンクトペテルブルクの旅5/リーガへ移動

4日目:タリン→リーガ/ラトヴィア


まだ薄暗いけれど、タリン最後の朝ごはんです。エストニアらしさがある総菜はいまいち口に合わなかったので(・・・)、いたって特徴のない朝ごはんです。フランボワースのジュースが美味しくて毎朝飲んでいました。


この日は雲が分厚く重たい天気。昨夜寝る前に地球の歩き〇を見て、タックスリファウンドに思い至ったわたしの心も重い
修道院居住区で神聖な気持ちになったことなんてもう、欠片もない


ちなみに、時差ボケのために食べられなかった夕食代わりの軽食。

ヘルシンキで買っていた、トリュフ入りチーズ。これが絶品。


さて、この日は午前中にリーガへと移動です。チェックアウトをして、少し早めに出発。


バスで約20分、バスターミナルへ到着。寒いです。ちなみにこの日、雲も分厚かったので、もこもこダウン+もこもこコートの重装備でした。カイロも勿論貼ってます。


出発の15分前にバスターミナルへリーガ行のバスが到着。乗車の際にパスポートチェックがありました。車内はwifiが繋がっていて、リーガの地図を見ながらホテルの場所をチェック。約4時間後、13:30頃にリーガバスターミナルへ到着です。


バスターミナルから、ホテルへはすぐだったので荷物を預かってもらおうと行くと、もうチェックインしていいよ~ということでチェックイン。カウンターで地図を貰い、昼食がてら出発。


まずは、ホテルからも近い、聖ペテロ教会(展望台あり)に行きます。

タリンよりもゴシック感が漂います。

内部もとても綺麗でしたが、一応写真OKだけどあまりに係員が監視しているのでこの一枚だけ…。


展望台へ上がるエレベーターは10分~20分に1回動きます。
15分ほど待って、エレベーターで展望台へ。

旧市街が一望できます。
しかし、寒い。風があり、もう体感温度は降雪の時と変わらない感じで、耳もほっぺも痛い。涙が出てくる。
エレベーターはあと10分待たないと来ない!!!!!!


ここで息絶えるかと思いましたが、何とか生きたまま入り口まで戻れました。


そして、もう凍えてしまったので教会のすぐそばのレストランへ。

頼んだのは、じゃがいもと豚肉のポット。ラトヴィアの家庭料理だそうです。

茹でたじゃがいも、パプリカ、玉ねぎ、ピクルス、スモークハムにクリームソース。ハムが柔らかくてとても美味しい、じゃがいもも甘い!ピクルスとクリームソースって意外に合うんですね。



人心地ついて、また散策。
晴れてきました。

リーガ大聖堂の前は広場になっています。この大聖堂は13世紀から建築が始まり、18世紀に完成するまで修復やら改築やらが繰り返されたので、ロマネスクからバロックに至るまでの建築様式が入り混じっているそう。
後から写真を見たら、ここの回廊が素敵だった…入ればよかった!



そのまま進んでいくと、なんとも可愛い教会が見えました。

地図を見ると、Our lady of sorrow church....「嘆きの聖母教会」…かな?
茶色とオレンジが多いこの旧市街で、かなり異色です。清楚な、という印象。

内部にはシスターがいて、何か準備をしていました。英語があまり得意ではなかったようですが、写真いいよ、ゆっくり見てね、を言ってくださいました。


確かに、中央を見ると息絶えた我が子を抱き、悲痛のマリアの意匠。そしてここでは聖母マリアの象徴の青がなかったのが印象的でした。百合ではなく赤い薔薇ですし。シスターに聞きたかったけれど、こちらはラトヴィア語分からないしあちらは英語が微妙なので聞けず。パンフレットもなく(いや、ありました、ラトヴィア語の)残念でしたが、とてもいい雰囲気の教会でした。
入場料はなかったので、「寄付」と仏語(とたぶんラトヴィア語)で書かれた箱に5ユーロ入れてきました。
今思いましたが、仏語だったら通じたのかも?????




リーガの旧市街のこの一帯は、リーガ歴史地区として世界遺産に登録されています。
タリンよりも小さいので、割とすぐ見て回れました。


可愛いお店は、ボタニカルコスメを取り扱っていたっぽかったです。


聖ペトロ教会まで戻ってきました。


そして、FIGARO VOYAGEでも載ってたはちみつやさんに。

テイスティングをして、菩提樹のはちみつと春の森のはちみつ(!!!)他を購入。んん、一気に荷物が重くなる気配。


そして見つけたCAFFEINEで休憩。

時刻は17:30。明日はこの旅で一番行きたかったリトアニアの十字架の丘に夜明け前に出発です。夜明け前に行動です。
もうね、この先どんどん寒くなるんですし、諦めてショッピングモールに行き、色々悩んでH&Mでフード付きのダウン(腰を覆う長さ)を買いました。キッズサイズだからさほど高くはないですが、敗北感が半端ないです
でも凍えるよりはマシ。
まだやっぱりお腹は空いていなかったので、スーパーで明日の朝用にバナナとヨーグルトドリンク、ペストリー、そしてガイドブックにも載っていたRIGAというチョコレートバーを3種類買う。美味しかったらお土産に買って行こうと思って。
ホテルにはバスタブがついていたので、戻って真っ先にお湯を溜めます。芯まで冷えてしまいました。
その間に、チョコレートバーを食べてみる…んが、美味しくない!



なにこれおいしくない!!!!!!!

チョコレートが美味しくないって、どんなことになってるの??
1本はプレーンのチョコ、そしてクラッシュしたナッツのプラリネ入り(これは怖かったので吐き出した)、もうひとつはストロベリープラリネ。
半分でゴミ箱に。ごめんなさい。



お風呂にゆっくり入り、朝4時半起きの為に早めに就寝です。

バルト3国・サンクトペテルブルクの旅4/タリン旧市街散策3

3日目/タリン・エストニア


昨日歩き回ったおかげで、朝6時に起床。
7時からの朝食に行き、ネットしながらのんびりと食べます。今日のランチはネットで見つけた素敵なレストランに行こうと決めていたので場所の確認。
ホテルはwifiが繋がっていたのですが、部屋のドアを閉めると繋がらなくなっちゃうので…。
改めて、タリンの情報を色々仕入れて、地図に色々書き込んで行きます。
何となく地理も頭に入っている(昨日、迷ったおかげで…)。


しかし、本来ならサンクトペテルブルクで登場予定だったもこもこショートコートが、まさかのタリン初日で登場。当然ヒートテックも着ているし、疲れ予防と冷え防止のために腰回りにどっさりにカイロも貼っている。


もう、この旅で精いっぱいの装備なんですが……。石畳はやっぱり体感温度がマイナス3℃くらいですね。


ホテルからまた、城壁沿いにまっすぐ進んでその終わりでぱちり。

晴れていて気持ちいい。寒いけど。


今日は、タリンでいきたかった所その2(その1はパペットシアター)、ニグリステ教会(聖ニコラス教会)へ。

13~15世紀に建てられたのですが、第2次世界大戦の際に空爆により崩壊、現在の建物は1980年に再建されたものです。
教会にあった美術品は疎開していて、現存しているものも多数。現在はそれらを展示した
ミュージアムとなっています。

教会には、古い美術品(キリスト教関係)もありました。13世紀~15世紀のものだそう。正面奥には、15世紀に作られたなんて言うのかな、屏風みたいな…祭壇?教会の名前にもなっている聖ニコラスと聖ヴィクトルの生涯が描かれていました。

見たかったのは、この絵。ベルント・ノトケの「死の舞踏」。現存はオリジナルの1/4です。こちらは作者本人による模写で、本物はドイツにあったそうですが、戦争で焼失したそう。14世紀にヨーロッパで大流行したペストを題材に、骸骨と高貴な身分の人たちが一緒に描かれているのが特徴です。


再びラエコヤ広場に行き、一本入る。

可愛くないですかこのカフェ……。

日当たりはよくはないけれど、こういう雰囲気大好きです。


この路を抜けて、聖霊教会へ。

華美な装飾ではないけれど、木製の内装が落ち着いています。
14世紀に建てられたそのままが残っているそう(外壁は塗りなおしていると思います)。聖霊教団救貧院の教会として使われていたとの記録もあるそうです。貧しい人向けの教会…という感じかな?ギルトを見ても、くっきりと貧富のラインが分けられていたようですし。

この白いのっぽさんが聖霊教会。


さて、そろそろランチ。チェックしていた、中世の雰囲気そのままというレストランへ。

こちら。オルテ・ハンザ。テラス席もありましたが、勿論店内へ。


……タイムスリップしたか、ファンタジーの世界へ飛ばされた感じ。


メニュー。写真はどれも明るいですが、実際はかなり暗いです。窓からの明かりと、ろうそくだけ。


雰囲気に圧倒されながら頼んだのは、ゲームミート(ハンティングでとった野生動物の肉のこと)の煮込み。
注文して、お手洗いに行ったらこんな。


そしてわたしのランチ。

実際、可視範囲としては、ベリーと肉の色の判別がつかないくらいの暗さです。
下のサイコロ状のものは、真ん中のベリーと肉よりも色が明るいわ、という程度にしか見えません。
お肉は塩がきいていて、ハーブの香り。ベリーはさっと過熱してあるけど加糖されていないので、ワイルドな…つまりちょっと苦くてすっぱい。サイコロは、人参とカボチャの間のようなもの。ピクルスと、何かの野菜のマリネが加熱されたもの、そして包みはポテトパイ。プラスで黒パン(別オーダー)。


一番美味しかったのは黒パンでした。
そしてポテトパイもなかなか美味しかった。特に肉は、使われている調味料はこれであろうというくらいしか感想が出てきません…(笑)。
暗くて判別がつかない中、こんな食事。大変貴重な経験でした。楽しかった。


お腹もいっぱいになったので、次はタリンで行きたかった場所3、聖ドミニコ修道院へ。

カテリーナの小径のすぐ近くのはずなのになかなか見つけられなくて、やっとたどり着いた場所。
左の階段をあがると、何もないチャンバーにシスターがいたので、2ユーロを払い見学します。シスターの話だと、ここの公開は明日(9/28)までだそうです。あとは寒くなってしまうので、春まで閉鎖するとのこと。無事に見学出来てよかった!


図書室。


ここが、一目みたかった居住区内回廊。
建物の内部全体が、とても荘厳な雰囲気で、神社にいるみたいな感じを受けました(そうじゃない神社もたくさんあるけど)。気持ちも凛とします。

明かりはないので暗いですが、外の光とのコントラストがとても綺麗。他にも、教会側から入る、井戸のある中庭があるのですが、そこは工事中で入れませんでした。


ああ、なんて素敵なところなんだろう……俗世間にまみれて生きている自分を思い直してしまいます。


そのまま、旧市街の入り口、ヴィル門。この近くのお土産店で、エストニア民族音楽のCDを見つけました。


次は昨日朝に迷い込んだ山手エリア(?)へ。

奥に見えるのは、アレクサンドル・ネフスキー大聖堂。ロシア正教の教会です。内部も見学しましたが、ミサをしていてロシア風の人たちがたくさん。言語もロシア語でした。教会新聞みたいなものも、ロシア語。

この城壁、実は昨日の朝行ったカフェのあるところ。
聖マリア教会など、他にも見どころはありますが、時間もあまりないので目的地へ。


パットクリ展望台です。

向こうには、フィンランド湾。初日に着いたフェリーターミナルもあります。


新市街も遠くに見えます。


カモメも。


帰りがけに、琥珀のショップへ。バルト3国は有名な琥珀の産地です。まぁ、エストニアではあまり取れないそうなのですが…笑。
店内で悩んで、ほどいてアクセサリー加工しようとペンダント状になったビーズ、そしてペンダントヘッドを購入。


ここで痛恨のミス。これまでわたしは、免税手続きというものをしたことがありませんでした。ここでも普通に購入したのですが、そういえばTAX FREEと書いてありました。


エストニアは25%の消費税が内税で入っているんです…。
約75ユーロのタックスが、手続きをすれば戻ってきたのです……あうあうあう。


この時はまだ気が付かず、タリン最後の1日を満喫していました。


ホテル近くの城壁の回廊へ上がりました。


可愛い。絵本みたいな街です。


ホテルに戻りながら、周囲をまた散策。明日の朝タリンからリーガへ移動するので、バスターミナルへ行くためにバス停もチェックしないといけません。


3人姉妹という愛称の建物。ホテルになっています。

ふとっちょマルガリータちゃん。


バスは、この門の目の前(というには少し歩く)にバス停があるため、便利!時間をチェックしてホテルに一度戻り、パッキング。

パッキング終ってからもう一度出てみました。

月が見える…けど、やっぱり小さく写っちゃうね。


タリン、可愛い街でした。